ショーグッピーの創作方法
著作 エドガード チアソン
協力 エメル セリフ ギュルメッツ
翻訳 田中 優次
 過去の偉大なグッピーのブリーダー達は、ワイルド型のものから、ショーグッピーを創作するに当たり、基本的なメンデルの遺伝の法則を習熟していました。今日の、ブリーダーにおいても、21世紀を飾る美しいグッピーを創作するために、これらの技術を踏襲しています。そして、系統交配や交雑にも同様にメンデルの遺伝の法則を応用しています。基本的なブリーディングの方法の一つに、兄弟魚を利用する近親交配があります。一般的に、近親交配(兄弟姉妹間での交配を意味し、同胎交配を意味するものと解します)を利用することをラインブリーディングと呼びます。生まれて来た魚達は同系統の物となります。また、アウトクロッシングと呼ばれる交配は、全く別系統の交配を言います。
 それでは、基本的な事から進んで行くことにしましょう。私の、ここで述べようとしていることは、アメリカのブリーダー達がいかに見事にラインブリーディングを利用しているかです。では、どのようにブリーディングを始めるかですが、先ず最初に、オス1尾とメス2尾を用意します。私が知るところでは、諸外国では、ペアでグッピーが売られていることが多いのですが、きっとこれは初心者のためでしょう。
 購入に際しては、遺伝形質が同様か、若しくは、非常に近いもので一世代から二世代までのものを購入することです。将来にわたって非常に良いストックをもつことが目的であり、そうすることが時間の節約にもつながります。購入後、2尾のメスから生まれた子を別々にし、それぞれをAとB又は1と2と言うふうに印をします。それぞれが繁殖に十分な大きさになった際に、新しい形質のグッピーを育成するのに有効な二通りの方法があります。この段階であなたはブリーディング計画において何に重点をおくかを決定する必要があります。こうして、二組のラインブリーディングが遂行されることとなります。あなたは、そのそれぞれの稚魚が、互いに最優先される形質もしくは大きさを特徴として持つものを繁殖して下さい。
 アメリカでの最優先事項は、やはりサイズです。その理由は、ショーコンテストで勝つということ、そして、サイズについての審査基準の確立を目的としているからです。もし、あなたが稚魚の選別に際して迷って決められない場合は、まず最初に、稚魚群の中から最良のオスを選び出して下さい。どのような基準で選別するかによって当然表現される形質も決定されます。もちろんコンテストに出展を考えるならIFGAやWGAの基準を用いることも良いでしょう。もちろん、コンテストの出展が最終目的でない場合でも、きっとあなたを満足させることでしょう。さて、オスを選択した後、ブリーデイング計画を進めて行く最初の取り掛かりとして、繁殖にかかりましょう。もちろんあなたがゴールに到達することを望むならば、この時点でのデータの保存も重要です。
 方法1としては、一方のラインを同胎交配を3〜4世代繰り返し、そして、それらを 他方のラインに交配しそれを元のラインに戻します。この方法は、最良の形質を集中させ たり、初期の稚魚が多くの遺伝的相違が見られたとしても、要求された形質を固定します。 ここで私が意味するところは、あなたが若魚を見たとき、当初は、全てが同様の形質や表 現をしていないのですが、それらが全て同様な形質が発現するようにすることを願います。 この方法では、言い換えれば悪い特徴も濃縮される場合も考えられます。一般に、この方 法は、形を向上させ、色彩とサイズは犠牲となります。多くの場合、私たちは、色や形の 良いグッピーは、通常、小さくなりがちだと知っています。もし、常に、一定の形質を選 別し続けると世代ごとにサイズが小さくなって行くことにも気づくでしょう。
 方法2
は、私は、いとこ同士の交配と呼んでいます。この方法では、あなたが、最低 でも、各ラインから2回の稚魚を取り上げることが要求されます。まず、ブリーダーはA ラインの一回目の稚魚から雄を選別し、二回目の稚魚から雌を選別し、同様にBラインで も同じことを行います。この場合に選別の基準は、第一に大きさを、形や色は第二に選考 して下さい。色や形が既に以前のブリーダーによって固定されていて、大きさを増大させ たいときにこの方法を利用することが有効です。そして、これを3〜4世代繰り返した後、 AとBを交配させ、それから、元のラインに戻して下さい。   この二つの方法の機能は非常に似通っています。あなたが、一つのラインを3〜4世代 ブリーディングしたり、又、一つのラインがつぶれ始めるまで繁殖を行った場合、一番最 初に活力が失われる結果となります。次に、あなたが、AラインとBラインを交配し、そ して出来たABラインを元のオリジナルラインに戻すことで、活力が創造されます。 このように、遺伝子情報が混合されることにより、活力が希望的に改善され、サイズが増 大するというボーナスまで付加されます。いつでも、互換性のあるラインの交配は、予測 出来る結果を得ることが出来ます。その理由は、遺伝情報の相違がごくわずかであり、 希望的経過としての最良の特色の相違も最小限となるからです。 私たちは、サイズが受け継がれる形質であろうと知りました。私は、数世代の近親交配を 重ねることによって、このことを実証できる数品種を持っています。 私は、色や形そしてサイズを増大させることが出来るのですが、同時に三つの形質を増大 させることは、非常に希です。それぞれの方法の原理を用いることによって、予測出来る 結果を創造することができます。この二つの方法の最も良いところを利用する付加的な方 法があります。 あなたは、これまでと同様、AとBの二つのラインを使います。一つのラインからは、形 と色を選別し、他方のラインからは、サイズを厳密に選別して下さい。その他には、いと こ同士の繁殖をするということ、これは、系統の活力を増大させる為で、雌親が異なるだ けで雄親が同じだからです。この時、スーパーグッピーを作るために、利用可能な最良の 形質の全てを使います。 ラインAで色と形を始めましょう、まず、最良のこれらの形質を表現している雄を選別し ます。この雄を使って、出来るだけ多くの雌に交配します。雌は、隠された形質が含まれ ているので、こうするとによって、雄の最良の特徴を備えた2匹の雌を希望的に選別する ことができます。そして、各雌から一腹の稚魚をとって、その中の雄の表現がどのようか を記録して下さい。肉体的な特色が解るまで、何度かこの処理を繰り返されることを希望 します。そして、最良のふた腹を選別し、残りは処分し、若魚を育てて下さい。その後、 この過程を3〜4世代繰り返して下さい。 つづいて、ラインBで、同様の技法で、最大のグッピーのみを使います。この時、雄親は、 最大であるだけでどのようであるかは心配しなくて結構です。もし、同様のサイズであれ ば色や形の良い方を選別して下さい。 常に、同系統内の異なった数多くの最大の雌で繁 殖を行い、その特徴を記録して下さい。何を我々は探しているかと言うと、隠された遺伝 子の組み合わせが将来の世代を見越すと言うことです。このラインは、系統内の活力を補 正しながら、それぞれの世代で大きくなり続けます。 それぞれのラインを3〜4世代繁殖させた後、Bラインから雄をそして、Aラインから雌 を選別してスーパーグッピーをショーアップする際に交配をして下さい。性別の選択にお いて、Aラインのグッピーは非常ににていると言うことと、その可能性も同様であるため、 雌を選びます。ラインBからの雌は、遺伝的相違を多く持っているので正確なものを選ぶ 必要があり、したがって、あなたは、将来の世代へ受け継がせたい形質を持つ雄を選別し て下さい。 このABの交配において、それぞれのラインの最良を混合することから起こり得る事は、 第一世代のすべての若魚では、形質が同様で、そして、大きくなるでしょう。時々、この ABラインに、大変良いものが出来ることがあるので、これを3番目のラインとして利用 してもさしつかえありません。オリジナルのAとBラインの中にABラインを組み込み繁 殖してください。要望する結果を得るためには、雄のみを利用するのが唯一の方法です。 ABラインの雌は、要望する結果を隠し持っている為、選別が難しいからです。これらを 利用して、以前に説明した同様の方法で、将来の世代を育てて下さい。 ラインブリーディングの技法を用いることによって、以前のように形質がつぶれる事なく、 対照的に、活力は持続的に補強されます。あなたは、この方法を利用することで、どのよ うな色の系統でも固定することが出来ます。グッピーの色は、非常に繊細なので、別に繁 殖させる必要があるかもしれませんね。例えば、多くのハーフブラックの体色を黒く維持 することは、非常に難しいため、あなたの優先順位は、Bラインから大きい魚を選別する こととは異なってくるでしょう。 魚を育てることを、どうか続けて下さい。


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