6. メタセルカリア寄生

症状:検査魚はシンガポールから輸入されたグッピー(Poecilia recticulata)で、体重が0.2〜0.4グラム、体長が1.9〜2.6センチであった。検査したグッピーの多くは、鼻上げを呈しながら遊泳しており、時々旋回したり、ふらついて遊泳するものも確認された。外観的には著変は認められなかったが(図1)、鰓弁に多くの白色結節が観察された(図2)。直接鏡検の結果、これらの結節は鰓飴弁上に寄生した二生目吸虫類のメタセルカリアの被嚢部であることが判明した(図3、4)。さらに、鰓弁には多数のキロドネラの寄生も確認された(図5)。このため、鰓は顕著に退色していた。

原因:グッピーの異常遊泳は二生目吸虫類のメタセルカリアが鰓に多数寄生していたことに原因していたと思われる。また、鰓には繊毛虫類の一種、キロドネラ・ヘキサスチカス(Chilodonella hexastichus)も多数寄生していたことから、キロドネラの寄生も異常遊泳に関与していたと思われる。

対策:メタセルカリア寄生に対する有効な対策法は知られていないが、キロドネラ寄生症に対してはホルマリン250ppmの30分間浴が効果的である。しかし、重篤な場合にはホルマリン浴の効果は期待できないことがある。
図1.病魚の外観。著変は認められない

 
図2.病魚の鰓弁の
肉眼所見。鰓弁上に
多数の白色結節が
認められる


図3.病魚の鰓弁の
直接検鏡像。
メタセルカリアの
被嚢部が認められる
(無染色、400倍)


図4.鰓弁の
メタセルカリアの拡大像
口器が見られえる
(無染色、200倍)

図5.鰓弁に寄生していた
キロドネラ
(無染色、400倍)

<病気と対策目次へ>


<HOME>