2. カラムナリス病

症状:罹病魚は体重1.2グラム、体長3.6センチであり、図1に示すように体幹の後半約3分の1の体表が白変し、背、尾および尻ピレの一部が鰭条だけとなっていた。体表の一部をかき取り直接鏡検したところ、水カビの付着と共に多数の細菌類が認められ、その中には特徴的な滑走運動を示す長桿菌も認められた。しかし、この長桿菌はFlexibacter columnarisの特徴である白柱様構築物を形成しなかった。いっぽう、病理組織標本を観察したところ病変部は上皮が完全に剥離し、潰瘍を形成していた。その周辺部の真皮層は浮腫が著しく(図2)、さらに筋層深部には絮状変性および壊死による虫喰い状を呈する部位も認められた(図3)。又、カビ付着部およびその深部には多数の長桿菌が侵入していた(図4)。又、肝臓には寄生虫のシストと思われる大型の多核合胞体が散見されたが同定には至らなかった(図5)。

原因:直接鏡検で観察された滑走運動を呈する長桿菌と組織標本で観察された長桿菌は、その形態から同一種と思われた。従って、直接鏡検下で円柱様の集落形成は確認されなかったが、得られた所見を総合すると本症はカラムナリス病と診断された。水カビは二次的な感染であり、本病の発生要因としては、輸送によるスレなどが考えられた。

対策:細菌と菌との複合感染症であることから、この場合には両方に効果のある食塩による薬効が有効である。ただし、本症例の様に症状が重度である場合の治療は困難である。

図1.病魚の外観

 
図2.真皮層に
見られた壊死
(ギムザ染色、36倍)


図3.虫食状を示す筋肉
(HE染色)

図4.筋肉内に
観察された長桿菌
(グラム染色、900倍)

図5.肝臓に見られた
寄生虫のシスト
(ギムザ染色、360倍)

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